令和6年10月より、後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)について、患者が先発医薬品の処方を希望した場合、「特別の料金」を患者が支払う必要があります。(参考:後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について)
処方パターンに応じて必要な作業がありますので下図をご確認のうえ、手順の確認をお願いいたします。
■処方パターン
1.「患者希望」バッジの追加〜会計まで
医薬品をオーダーし、3点リーダーをクリックします。
「患者希望あり」をクリックします。
「患者希望」バッジが表示されます。
「患者希望」バッジで銘柄名処方を行う場合、「後発変更不可」コメントは不要です。
用法等を選択してカルテを保存し、会計に進みます。
<院外処方の場合>
院外処方のため、「特別の料金」は発生しません。
処方箋を出力すると、「患者希望」欄に指示が記載されます。
<院内処方の場合>
・「特別の料金」は、会計画面では下記のように選定療養の対象となる点数が表示されます。
・請求額確定画面では自費金額として計算されます。
・診療費請求書兼領収書、および診療費明細書については下記のように記録されます。
(診療費明細書)
・診療区分「選定療養」を新設し、「長期収載品の選定療養に係る患者負担額」として記録されます。
(請求書兼領収書)
・投薬の「保険外」に集計されます。
留意事項 (2025年4月16日現在)
CLINICSカルテの対応については現在検討中となりますが、
上記問2に該当する場合、対応までの間は以下の対応が可能です。
【カルテ画面】
「患者希望」バッジをつけない
↓
【会計画面】
選定療養費を発生させないことが可能です。
※セット登録においても同様となりますため、組み直しをお願いいたします。
💡補足
【会計画面】
「警告!長期収載品の選定療養に関する取扱いのコメント入力がありません」という警告が出る場合がありますが、「警告を無視する」で進んでいただくことが可能です。
💡注射で利用した薬剤の選定療養について
注射グループでオーダーした薬剤については、10/1(火)夜間のリリースで「患者希望あり/なし」バッジおよび選定療養対象のアラートが表示されないように修正いたしました。
※なお、自己注射薬の院外処方については選定療養対象となる旨の周知がございましたので、「在宅」グループでの注射オーダーは「患者希望あり/なし」バッジおよび選定療養対象のアラートが表示されます。
2.医療上の必要性等を明示する選択式コメントコードの追加〜会計まで
長期収載品について、選定療養の対象とせずに保険給付する場合は、選択式コメントコードの入力が必要となります。
オーダーし、3点リーダー>「コメントを追加」をクリックします。
コメントを検索してオーダーします。
(処方箋)
選択式コメントも処方箋に記録されます。
💡コードとコメント内容の対応
コメント検索の際は「画面上の名称」をご利用ください。
"医療上必要"、"在庫"等で検索するのがよろしいかと存じます。
レセプトには正式名称が記載されます。
コード | 画面上の名称 | 正式名称 |
820101320 | 医療上必要:効能・効果に差異 | 長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異がある |
820101321 | 医療上必要:副作用、相互作用、治療効果に差異 | 患者が後発医薬品を使用した際、副作用や、他の医薬品との飲み合わせによる相互作用、長期収載品との間で治療効果に差異があったため |
820101322 | 医療上必要:ガイドラインにて切り替えないことが推奨 | 学会が作成しているガイドラインにおいて、長期収載品を使用している患者について後発医薬品へ切り替えないことが推奨されているため |
820101323 | 医療上必要:剤形上の違い | 剤形上の違いにより、長期収載品を処方等の必要があるため |
820101324 | 在庫状況等を踏まえ提供困難 | 後発医薬品の在庫状況等を踏まえ後発医薬品を提供することが困難なため |
💡推奨するコメントオーダー方法
あらかじめ必要なコメントと、医療上の必要性等の問題で先発医薬品を処方・利用する可能性のある医薬品をセット登録し、オーダー時に不要なコメントを削除する方法を推奨しております。
3.会計画面で発生するエラーについて
会計画面で発生するエラーについて、回避方法をご案内いたします。
【後発医薬品への変更不可は薬剤の下に入力して下さい。】 【先発医薬品患者希望は投薬・在宅・注射の薬剤の下に入力して下さい。】 |
「後発変更不可」と「患者希望」バッジが同時に入力されている場合、これらのコメントが競合してエラーが発生します。 「後発変更不可」と「患者希望」バッジの同時入力は許容していませんので、処方内容に合わせてオーダーの修正をしてください。 |
【警告!長期収載品の選定療養に関する取扱いのコメント入力がありません】 |
選定療養対象の薬剤に「後発変更不可」を入力しているが、選択式コメントの入力がない場合に警告が発生します。カルテ画面で選択式コメントを入力してください。 |
【警告!後発変更不可のコメント入力がありません。】 【警告!後発品変更不可の薬剤ではありません。このコメントは必要ありません。】 |
選定療養対象の薬剤に選択式コメントを入力しているが、「後発変更不可の入力がない場合に警告が発生します。カルテ画面で「後発変更不可」を入力してください。 |
4.レセプト摘要欄の記載について
・患者希望で処方したものは医薬品の記録に(選)の文字が記録されます。
・医療上必要として処方したものは、選択式コメントが記録されます。
5.その他注意点について
2025年4月1日以降で長期収載品の選定療養の対象外となった薬剤がこざいます。
詳細につきましては、以下をご確認ください。
(参考:対象医薬品リストについて)
2025年4月1日以降のカルテにて、長期収載品の選定療養の対象外となった薬剤を以下のカルテよりコピーする処方を実施した場合、会計時に選択式コメントに対して不要なコメント等の警告メッセージは表示されません。
また、該当の選択式コメントを削除せず会計を進めると、処方箋についても選択式コメントが記録されます。
<対象カルテ>
▪️2025年3月31日診療までの過去カルテにて以下の登録をしたカルテ
・長期収載品の選定療養の対象であった薬剤
・「医療上必要」の選択式コメントを登録
▪️以下の登録をしたセット
・長期収載品の選定療養の対象であった薬剤
・「医療上必要」の選択式コメントを登録
(例)
▼2025年3月1日
・長期収載品の選定療養の対象であった薬剤
(3月31日までは長期収載品の選定療養の対象であった薬剤)
・「医療上必要」の選択式コメントを登録
▼2025年4月1日
・3月1日カルテよりDo処方
(しかし4月1日以降長期収載品の選定療養の対象外となった薬剤)
(会計画面)
(処方箋)
上記より、
2025年4月1日以降で長期収載品の選定療養の対象外となった薬剤が登録されている過去カルテからのDo処方はご遠慮ください。
また、セット登録している場合は、組み直しをお願いいたします。