本ページでは、「オンライン診療の適切な実施に関する指針(ガイドライン)」の概要についてご案内いたします。
「オンライン診療の適切な実施に関する指針(ガイドライン)」は、保険診療・自由診療を問わず、医師及び患者が安心して診療を行えるよう、厚労省からオンライン診療を実施する医師への遵守が求められる指針です。
指針ならびにQ&A資料の内容については、以下リンク先の公式資料をご一読ください。
オンライン診療の適切な実施に関する指針について
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は5つの大項目から構成されています。
本ページでは、以下の項目を中心に一部内容を簡単にご紹介いたします。
Ⅲ 本指針に用いられる用語の定義と本指針の対象
Ⅴ 指針の具体的適用
【大項目】
Ⅰ オンライン診療を取り巻く環境
Ⅱ 本指針の関連法令等
Ⅲ 本指針に用いられる用語の定義と本指針の対象
Ⅳ オンライン診療の実施にあたっての基本理念
Ⅴ 指針の具体的適用
【Ⅲ 本指針に用いられる用語の定義と本指針の対象】
本項目では、用語の定義や本指針の対象が示されています。(以下、一部抜粋)
「オンライン診療」 ※指針の対象 遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為。
「オンライン受診勧奨」 ※指針の対象(一部適用外) 遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して患者の診察を行い、医療機関への受診勧奨をリアルタイムにより行う行為であり、患者個人の心身の状態に応じた必要な最低限の医科学的判断を伴う受診勧奨。 例:発疹に対し問診を行い、「あなたは発疹に加えて呼吸器症状も見られ、アナフィラキシーの可能性もあるため、すぐに対面診療のできる医療機関を受診してください」と勧奨する等
「診療前相談」 ※指針の対象 診療前相談は、日頃より直接の対面診療を重ねている等、患者と直接的な関係が既に存在する医師(かかりつけの医師)以外の医師が初診からのオンライン診療を行おうとする場合(医師が患者の医学的情報を十分に把握できる場合を除く)に、医師-患者間で映像を用いたリアルタイムのやりとりを行い、医師が患者の症状及び医学的情報を確認する行為。(診療前相談には診断・処方・その他の診療行為は含まれない) 適切な情報を把握した上、医師・患者双方が可能と判断(合意)した場合、オンライン診療の実施が可能となる。(オンライン診療を実施する場合は、診療前相談で得た情報を診療録に記載する必要がある。オンライン診療に至らなかった場合にも診療前相談の記録は保存しておくことが望ましい)
「遠隔健康医療相談(医師)」 ※指針の対象外 遠隔医療のうち、医師-相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行い、患者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言を行う行為。相談者の個別的な状態を踏まえた診断など具体的判断は伴わないもの。
「遠隔健康医療相談(医師以外)」 ※指針の対象外 遠隔医療のうち、医師又は医師以外の者-相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行うが、一般的な医学的な情報の提供や、一般的な受診勧奨に留まり、相談者の個別的な状態を踏まえた疾患のり患可能性の提示・診断等の医学的判断を伴わない行為。
「オンライン診療受診施設」 当該施設の設置者が、業として、オンライン診療を行う医師の勤務する病院、診 療所、介護老人保健施設又は介護医療院に対して、その行うオンライン診療を患者 が受ける場所として提供する施設。
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【Ⅴ 指針の具体的な適用】
本項目では、オンライン診療を実施するに当たり「最低限遵守する事項」及び「推奨される事項」が、考え方と共に示されています。(以下、一部抜粋)
1.オンライン診療の提供に関する事項(1)医師-患者関係/患者合意 ・オンライン診療は医師と患者が相互に信頼関係を構築した上で実施されるべきであり、オンライン診療は双方の合意に基づき実施される必要がある。 ・オンライン診療は医師側の都合で行わず、患者側からの求めに応じて行うものとする。 ・オンライン診療の利点や生じる恐れのある不利益等について、医師から患者に十分な情報提供を行い、患者の合意を得ることを徹底する。 ・医学的な観点からオンライン診療を行うことが適切でないと判断した場合には、速やかに対面診療に繋げること。 ※参考資料:オンライン診療実施に関する患者合意の同意書
(2)適用対象 ・原則、初診については「かかりつけの医師」が行うこと。 ・オンライン診療の実施可否の判断については、一般社団法人日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診に適さない症状」等を踏まえて医師が判断すること。 ・ただし、医学的情報((過去の診療録、診療情報提供書、健康診断の結果、地域医療情報ネットワーク、お薬手帳、Personal Health Record等)から既往歴、服薬歴、アレルギー歴等の他、症状から勘案して問診及び視診を補完するのに必要な医学的情報が十分に把握でき、医師が可能と判断した場合にも、初診からオンライン診療を実施することができる。 ・上記以外の場合、患者に「かかりつけの医師」がいない又は対応出来ない場合において「診療前相談」を行い、医師が可能と判断した場合は初診からオンライン診療を実施できるが、オンライン診療の実施後、適切に対面診療に繋げられる体制が求められる。
(3)診療計画 ・オンライン診療を行う前に、対面診療による診断に基づいて、本指針で掲げられる事項を含めた診療計画を定め、2年間は保存すること。 ・初診からのオンライン診療を行う場合については、診察後に方針(次回の診察の日時及び方法、並びに症状の増悪があった場合の対面診療の受診先等)を患者に説明する。オンラインでの診療継続又は見込みがある場合、可及的速やかに診療計画を定めて保存すること。 ・診療計画は、文書又は電磁的記録により患者が参照できるようにすることが望ましいが、患者の不利益とならない限りにおいては、診療計画の内容を口頭で患者に伝えることも可能です。 ※参考資料:【オンライン診療】診療計画書
(4)本人確認 ・原則、医師と患者双方が身分確認書類を用いてお互いに本人確認を行うこと。(例:医師はHPKIカード(医師資格証)・マイナンバーカードなど、患者はマイナンバーカードや医療保険者の発行する資格確認書など) ・ただし、かかりつけの医師がオンライン診療を行う場合、社会通念上、当然に医師と患者本人であると認識できる状況であれば、本人確認を都度行う必要はない。 ・初診でオンライン診療を用いる場合、患者は顔写真付きの身分証明書で本人証明を行うこと。顔写真付きの身分証明書を有しない場合は、2種類以上の身分証明書を用いて本人証明を行うこと。(本人証明を行う書類を用意できない場合、患者の事情を考慮して身分証明書に準ずる書類を確認する等の対応を行う。)
(5)薬剤処方・管理 ・現在行われているオンライン診療は、診察手段が限られることから十分な医学的情報を初診において得ることが困難な場合があるため、処方に注意が必要な医薬品があります。(参考:薬剤処方) ・医師は患者に対し、現在服薬している医薬品の確認を行い、患者も正確に申告することが求められる。 ・不適切な処方例として、患者が向精神薬、睡眠薬、医学的な必要性に基づかない体重減少目的に使用されうる利尿薬や糖尿病治療薬、美容目的に使用されうる保湿クリーム等の医薬品の処方を希望するなど、医薬品の転売や不適正使用が疑われるような場合に対面診療で必要性等の確認を行わず、患者の状態を十分に評価できていない場合や、勃起不全治療薬等の医薬品を禁忌の確認を行うのに十分な情報が得られていない場合は処方してはならない。
(6)診察方法 ・可能な限り多くの診療情報を得るために、オンライン診療はリアルタイムの視覚及び聴覚の情報を含む情報通信手段を採用すること。 ・オンライン診療は、同時に複数の患者の診療を行なってはならない。 ・医師の他に医療従事者等が同席する場合は、その都度患者に説明を行い、患者の同意を得ること。 |
2.オンライン診療の提供体制に関する事項(1)医師の所在 ・オンライン診療を実施する医師は、医療機関に所属し、その所属および当該医療機関の問い合わせ先を明らかにすること。 ・患者の急病急変時に適切に対応するため、患者が速やかにアクセスできる医療機関において直接の対面診療を行える体制を整えておくこと。 ・医師は必ずしも医療機関においてオンライン診療を行う必要はないが、騒音により音声が聞き取れない、ネットワークが不安定であり動画が途切れる等、オンライン診療を行うにあたり不適切な場所や公衆の場でオンライン診療を行ってはならない。 ・オンライン診療を行う場合は、診療録など、過去の患者の情報を得られる体制で診療を行うことが求められる。 ・オンライン診療を実施する医療機関は、ホームページや院内掲示等において、 本指針を遵守した上でオンライン診療を実施している旨を公表すること。(適切な方法として、「オンライン診療指針の遵守の確認をするためのチェックリスト」を公表することも考えられる)
(2)患者の所在 ・オンライン診療の場合も、これまでの医療法上の取扱いと同様である。 ・患者の所在については、医療提供施設(オンライン診療受診施設を含む)や医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所、患者の勤務する職場等も示されていますが、プライバシーに配慮した場所での実施が求められる。
(3)患者が看護師等といる場合のオンライン診療(D to P with N) 略
(4)患者が医師といる場合のオンライン診療(D to P with D) 略
(5)通信環境(情報セキュリティ・プライバシー・利用端末) ・オンライン診療の実施に当たっては、オンライン診療システムを適切に選択、使用するために、個人情報の保護に最大限配慮するとともに、使用するシステムに伴うリスクを踏まえた対策を講じた上で、オンライン診療を実施すること。 |
3.その他オンライン診療に関連する事項(1)医師教育/患者教育 ・オンライン診療の実施に当たっては、医学的知識のみならず、情報通信機器の使用や情報セキュリティ等に関する知識が必要となる。 ・そのため、医師は、オンライン診療に責任を有する者として、厚生労働省が定める研修を受講することにより、オンライン診療を実施するために必須となる知識を習得しなければならない。
(2) 質評価/フィードバック 略
(3)エビデンスの蓄積 略 |
【FAQ】
かかりつけの医師
「日頃より直接の対面診療を重ねている等、患者と直接的な関係が既に存在する医師」を指します。
最後の診療からの期間や定期的な受診の有無によって一律に制限するものではありません。
診療前相談
医師-患者間で映像を用いたリアルタイムのやりとりを行い、医師が患者の症状及び医学的情報を確認する行為を指します。
初診からのオンライン診療はかかりつけの医師が行うほか、適用対象の患者が対象ですが、それ以外の場合は「診療前相談」を行った上で医師・患者双方がオンラインでの診療を可能と判断し、相互に合意した場合に実施が可能となります。
診療前相談を行うにあたっては、結果としてオンライン診療が行えない可能性があることや、診療前相談の費用等について医療機関のホームページ等で示すほか、あらかじめ患者に十分周知することが必要です。
薬剤処方
初診からのオンライン診療の場合及び新たな疾患に対して医薬品の処方を行う場合は、「⽇本医学会連合オンライン診療の初診に関する提⾔」に記載の「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」を参考に行います。
ただし、初診の場合には以下の処方は行わないこととされていますので、ご注意ください。
麻薬及び向精神薬の処方
基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する、特に安全管理が必要な薬品(診療報酬における薬剤管理指導料の「1」の対象となる薬剤)の処方
基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する8日分以上の処方
初診からのオンライン診療について
「初診」とは、初めて診察を行うことを指しますが、継続的に診療している場合においても、新たな症状等(既に診断されている疾患から予測された症状等を除く)に対する診察や、疾患が治癒した後又は治療が長期間中断した後に再度同一疾患について診察する場合も「初診」に含みます。
診療報酬において「初診料」の算定上の取扱いが定められていますが、本指針における「初診」と「初診料」を算定する場合とは、必ずしも一致しません。
初診からのオンライン診療が困難な症状として、一般社団法人日本医学会連合が作成した「⽇本医学会連合オンライン診療の初診に関する提⾔」に記載のある「オンライン診療の初診に適さない症状」等を踏まえて医師が判断します。
オンライン診療後に対面診察が必要な場合、患者にかかりつけの医師がいる場合は、かかりつけの医師に紹介をすることが望ましいですが、かかりつけの医師がいない場合は、オンライン診療を行った医師が対面診察を行うか近隣の医療機関を紹介します。
💡令和8年4月の指針改訂の概要
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は令和8年4日に以下の改訂が行われました。
医療法改正への対応
オンライン診療受診施設の概念や「オンライン診療実施病院等」の用語等、医療法上定められる内容について、本指針に医療法との整合性を確保するための反映を行う。
医療法において、オンライン診療が診療と定義されたことに伴い、「診療前相談」がオンライン診療の前段階で行われるものであることや本指針の対象であることを明確化する。
適切なオンライン診療の普及に向けた対応①
オンライン診療の普及状況や対面診療で他の医療機関に紹介される際の一般的な対応等を踏まえ、オンライン診療後、医師が必要と判断した場合に、適切に対面診療につなげられる体制として想定される地域の医療機関との間の連携体制の構築や、対面受診可能な医療機関に確実につなげるための方法等に関する具体例を、以下のように示す。
患者の所在地に応じた地域の医療機関との間で、対面診療への移行に関して連携体制を整備すること
医師が対面受診を要すると判断した場合は、対面受診可能な医療機関へ医師からの連絡、診療情報の提供等を行い、患者を確実に対面診療へつなぐこと
直ちに対面受診を要さない場合においても、医師が必要と判断したときには、当該診療内容を引き継げるよう、緊急時の相談体制についての案内等を患者等に対して行い、確実に対面診療へつなぐこと
初診からのオンライン診療を行った後、オンラインでの診療継続またはその見込みがある場合、可及的速やかに診療計画を定め、保存することを追記する。
指針を遵守した上でオンライン診療を実施している旨の公表方法として、医療機関のホームページに当該「チェックリスト」を公表することも考えられる旨を追記する。
適切なオンライン診療の普及に向けた対応②
診療計画または訪問看護指示書のいずれかがあれば、予測された範囲内において診療の補助行為が可能である旨を記載する。
予測された範囲か否かに関わらず、医師の指示の下、診療計画や訪問看護指示書を適時適切に更新することで、検査や処置等の診療の補助行為を行える旨を明示する。
規制改革への対応
D to P with Dの適用対象について
「希少性の高い疾患等」は、高度な専門性を要する場合の例示であるが、「近隣の医療機関では診断が困難な疾患であることや遠方からでは受診するまでに長時間を要すること等により、患者の早期診断のニーズを満たすことが難しい患者」を対象としており、対象疾患は地域の事情によって判断されうるものであることから、対象を過度に制限しないよう例示を削除する
診療継続のニーズがあり、オンライン診療の必要性が認められる患者も適用対象に追加する。
災害時において、研修を受講していない医師によるオンライン診療の実施を許容する旨の通知を適時発出する旨を追記する。
情報セキュリティ等の取り巻く環境の変化への対応
オンラインシステム事業者が行うべき対策としている通信の暗号化について、現行の「TLS1.2以上」から「TLS1.3以上、やむを得ず1.2を用いる場合は十分な暗号強度とするよう留意すること」と修正する。
患者の本人確認のための「確認書類の例」として、「健康保険証(被保険者証)」を削除し、「医療保険者の発行する資格確認書」を追加する。


