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【オンライン診療】オンライン診療実施時の注意点

ガイドライン、初診、処方制限、医師の所在、診療録

宗宮明希 avatar
対応者:宗宮明希
6か月以上前に更新

本ヘルプページでは、オンライン診療時の注意点についてご案内いたします。

1.全ての診療について

保険診療・自由診療問わず、オンライン診療はオンライン診療の適切な実施に関する指針(ガイドライン)」に沿って診療を行う必要があります。

以下に指針上で求められている主な事項を記載します。

(1)医師-患者関係/患者合意

オンライン診療は、医師と患者の合意の上でオンライン診療を実施する必要があります。また、医師が、医学的な観点からオンライン診療を行うことが適切でないと判断した場合には、速やかに対面診療につなげることが求められます。

合意に関しましては、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&Aに記載の通り、患者への合意を口頭で取得した旨をカルテへ記載することでも合意取得ができると解釈しておりますが、ご不安な場合は管轄の厚生局へご確認ください。

(2)研修の受講

オンラインで診察を行う医師は、「オンライン診療の実施にかかる研修」の受講と修了証登録番号の届出が必要となります。

(3)診療計画の策定

オンライン診療を行う前には対面診療による診断に基づいて診療計画を定め、2年間は保存することとされています。患者の不利益とならない限りにおいては、診療計画の内容を口頭で患者に伝えることも可能です。

💡初診患者様の場合は診察後の説明をご確認ください。

(4)本人確認

医師と患者双方が身分確認書類を用いてお互いに本人確認を行う必要があります。具体的には、医師はHPKIカード(医師資格証)、医師免許証、患者は健康保険証やマイナンバーカード、運転免許等を提示します。

社会通念上、当然に医師、患者本人であると認識できる状況にあった場合には、診療の都度本人確認を行う必要はありません。

初診の場合は本人確認をより慎重に行います。2(1)本人確認の注意点をご参照ください。

その他にも注意点がございますので、詳細は【オンライン診療】オンライン診療の適切な実施に関する指針(ガイドライン)をご参照ください。

2.初診の場合の注意点

保険診療・自由診療問わず、初診患者の診察の場合は前述の事項に加え以下の注意が必要です。

(1)本人確認

初診でオンライン診療を用いる場合、患者は、

・顔写真付きの身分証明書で本人証明を行うこと

・顔写真付きの身分証明書を有しない場合は、2種類以上の身分証明書を用いて本人証明を行うこと

とされています。(本人証明を行う書類を用意できない場合には、患者の事情を考慮して身分証明書に準ずる書類を確認する等の対応を行ってください。)

(2)診療前相談

かかりつけの医師」による初診が原則となります。

ただし、医学的情報(過去の診療録、診療情報提供書、健康診断の結果、地域医療情報ネットワーク、お薬手帳、Personal Health Record等)から既往歴、服薬歴、アレルギー歴等の他、症状から勘案して問診及び視診を補完するのに必要な医学的情報が十分に把握でき、医師が可能と判断した場合は、「かかりつけの医師」でない場合も初診からオンライン診療を実施することができます。

上記以外の場合は「診療前相談」を行った上で医師が可能と判断した場合は、初診からオンライン診療を実施することができます。

過去の診療録、診療情報提供書、健康診断の結果、地域医療情報ネットワーク、お薬手帳、PHR等、あるいは診療前相談から得た情報は、診療録に記載する必要があります。

(3)処方の制限

初診の患者への処方は、一般社団法人日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」等を参考に、医師の判断により行います。

オンライン診療の適切な実施に関する指針(ガイドライン)」では初診の場合には以下の処方は行わないこととされていますので、ご注意ください。

・麻薬及び向精神薬の処方

・基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する、特に安全管理が必要な薬品(診療報酬における薬剤管理指導料の「1」の対象となる薬剤)の処方

・基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する8日分以上の処方

※基礎疾患等の情報が把握できていない患者については、既往歴、服薬歴、アレルギー歴等や、患者の症状と勘案して当該薬剤の処方に必要な医学的情報を、 過去の診療録、診療情報提供書、地域医療情報連携ネットワーク、お薬手帳、PHR 等により確認し、把握する必要があります。

※初診をオンライン診療により実施し、2度目以降の診療(再診)もオンライン診療で実施した患者に対して処方を行う場合も初診と同等の扱いとなります。

(4)診察後の説明

オンライン診療を行う前には「診療計画」を定める必要がありますが、診療計画のない初診からの患者にオンライン診療を行う場合については、診察の後にその後の方針(例えば、次回の診察の日時及び方法並びに症状の増悪があった場合の対面診療の受診先等)を患者に説明します。

3.保険診療の場合の注意点

保険診療の実施については、オンライン診療の適切な実施に関する指針のほか、以下の事項について、診療報酬上の要件を満たす必要があります。

(1)施設基準の届出および実績報告

オンライン診療を行なった際の基本診療料の算定にあたっては、地方厚生局への施設基準の届出が必要です。

また、毎年7月に実績報告を行います。

(2)診療録・診療報酬明細書および処方箋の記載

オンライン診療を行なった際は、診療録・診療報酬明細書および処方箋に以下の項目を記載します。

<診療録及び診療報酬明細書に記載すべき事項>

①オンライン診療の適切な実施に関する指針(ガイドライン)に沿って診察を行い、当該指針に示されている一般社団法人日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診に適さない症状」、「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」等の関係学会が定める診療ガイドラインを踏まえ、当該診療や処方が指針に沿った適切なものであったこと

💡具体的な記載内容:

・オンライン診療の適切な実施に関する指針に沿った適切な診療である(初診料) 
・オンライン診療の適切な実施に関する指針に沿った適切な診療である(再診料)
・オンライン診療の適切な実施に関する指針に沿った適切な診療である(外来診療料)

※処方を行なった場合は以下も追加
・オンライン診療の適切な実施に関する指針に沿った適切な処方である(初診料)
・オンライン診療の適切な実施に関する指針に沿った適切な処方である(再診料)
・オンライン診療の適切な実施に関する指針に沿った適切な処方である(外来診療料)

<その他、診療録に記載すべき項目>

③オンライン診療の診療内容、診療日及び診療時間等の要点

④(緊急時(急変時等)の対応を自院で行えない場合)受診可能な医療機関名や紹介方法等

⑤(通院歴のない患者の初診時)過去の診療録、診療情報提供書、健康診断の結果、地域医療情報ネットワーク、お薬手帳、PHR等から事前に得た情報または診療前相談で得た情報

⑥(処方箋をFAXなどで送信する場合)送付先の薬局

<処方箋に記載すべき事項>

  • 情報通信機器を用いた診療の実施に伴い処方箋を発行する場合については、処方箋備考欄に「情報通信」と記載します。

  • なお、患者がオンライン診療後にオンライン服薬指導を希望する場合や、対面の服薬指導を希望するものの患者に即時に処方箋を渡すことができない時に医療機関から薬局へ処方箋情報を送付する場合は、「情報通信」と合わせて「オンライン対応」と記載します。

  • 以下処方箋の取り扱いについて弊社の解釈をまとめております。

    ※今後疑義解釈の発出によって内容に変更が生じる場合がございます。

(3)医師の所在について

保険診療のオンライン診療は原則として保険医療機関内で実施する必要があります。(保険医療機関外で実施する場合、事後的に確認可能な場所で行います。)

※自由診療の場合は、医師は必ずしも医療機関においてオンライン診療を行う必要はありません。ただし、患者の情報を保護する観点から、公衆の場でオンライン診療を行うべきではありません。その他の事項はオンライン診療の適切な実施に関する指針p.21をご確認下さい。

(4)緊急時(急変時等)の対応

患者の急変時等の緊急時には、原則として、当該保険医療機関が必要な対応を行います。ただし、夜間や休日など、当該保険医療機関がやむを得ず対応できない場合については、患者が速やかに受診できる医療機関において対面診療を行えるよう、事前に受診可能な医療機関を患者に説明した上で、以下の内容について、診療録に記載しておく必要があります。

(ア) 当該患者に「かかりつけの医師」がいる場合には、当該医師が所属する医療機関名
(イ) 当該患者に「かかりつけの医師」がいない場合には、対面診療により診療できない理由、適切な医療機関としての紹介先の医療機関名、紹介方法及び患者の同意

(5)オンライン診療を実施可能な体制

保険医療機関においては、対面診療を提供できる体制を有することとされています。また、患者の状況によって対応することが困難な場合には、ほかの医療機関と連携して対応できる体制を有することが必要です。

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