令和6年6月1日から施行された診療報酬改定において、歯科でのオンライン診療について、要件を満たした場合には、基本診療料や一部の管理料の算定が可能になりましたので、新設項目のご紹介をします。
1.継続的な口腔機能管理を行う患者及び新興感染症等に罹患している患者に対する情報通信機器を用いた歯科診療を行う場合
新設項目 | 点数 |
初診料(情報通信機器を用いた場合) | 233点 |
再診料(情報通信機器を用いた場合) | 51点 |
【算定要件】
・別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関
・特に情報通信機器を用いた歯科診療を行うことが必要と認められるものに対して、情報通信機器を用いた場合
特に情報通信機器を用いた歯科診療を行うことが必要と認められるものとは、以下の通りです。
初診 | 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症、同条第8項に規定する指定感染症又は同条第9項に規定する新感染症の発生時であって、保険医療機関での対面での診療が困難な状況であって、歯科診療を必要とする患者 |
再診 | ・初診時と同様 ・小児口腔機能管理料の「注5」又は口腔機能管理料の「注5」に規定する患者 ・歯科疾患特別療養管理料の対象患者のうち、舌痛症(心因性によるものを含む。)、三叉神経ニューロパチーの患者 |
2.継続的な口腔機能管理を行う患者等に対する情報通信機器を用いた歯科診療を行う場合
新設項目 | 点数 |
歯科特定疾患療養管理料(情報通信機器を用いた場合) | 148点 |
小児口腔機能管理料(情報通信機器を用いた場合) | 53点 |
口腔機能管理料(情報通信機器を用いた場合) | 53点 |
【算定要件】
・別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関
・特に情報通信機器を用いた歯科診療を行うことが必要と認められるものに対して、情報通信機器を用いた場合
歯科特定疾患療養管理料 (情報通信機器を用いた場合) | 注過去に歯科特定疾患療養管理料を算定した患者に対して、歯科特定疾患療養管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合 |
小児口腔機能管理料 (情報通信機器を用いた場合) | 過去に小児口腔機能管理料を算定した患者に対して、小児口腔機能管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合 |
口腔機能管理料 (情報通信機器を用いた場合) | 注5 過去に口腔機能管理料を算定した患者に対して、口腔機能管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合 |
3.口腔がんの口腔がん手術後の経過観察等、専門性が求められる疾患の患者の診療について、事前に診療情報を共有した上で、近隣の歯科医師と連携して遠隔地の歯科医師が情報通信機器を用いて診療を行った場合
新設項目 | 点数 |
歯科遠隔診療料 | 500点 |
【算定要件】
・対象患者:以下のいずれかに該当する患者
1.口腔領域の悪性新生物の術後の経過観察等の専門的な医療を必要とする患者
2.口腔軟組織の疾患(難治性のものに限る。)又は薬剤関連顎骨壊死の経過観察等の専門的な医療を必要とする患者
・別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関
・対面診療を行っている入院中の患者以外の患者
・別に厚生労働大臣が定めるものに対して、症状の確認等を目的として、患者の同意を得ていること
・当該施設基準を満たす当該患者の疾患等に関する専門的な診療を行っている他の保険医療機関の歯科医師と事前に診療情報を共有した上で、当該患者の来院時に、情報通信機器を用いて、当該他の保険医療機関の歯科医師と連携して診療を行った場合
・3月に1回に限り算定
施設基準の届出ついて
上記の歯科遠隔診療料以外の新設項目を算定をする場合は全て同様の施設基準の届出が必要となります。
【施設基準】
1) 情報通信機器を⽤いた診療を⾏うにつき⼗分な体制が整備されているものとして、以下の①及び②を満たすこと
①対⾯診療を適切に組み合わせて⾏うことが求められていることを踏まえて、対⾯診療を提供できる体制を有すること
②患者の状況によって当該保険医療機関において対⾯診療を提供することが困難な場合に、他の保険医療機関と連携して対応できること
2)厚⽣労働省「⻭科におけるオンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿って診療を⾏う体制を有する保険医療機関であること
なお「厚生労働省が定める研修受講をすることにより、オンライン診療を実施するために必須となる知識を習得しなければならない。」とありますので、当該研修受講が必須*となります。
*疑義解釈にて以下の記載がございます。
・「令和6年6月診療分の施設基準の届出に限っては届出の際受験番号等を記載する代わりに、厚生労働省医政局歯科保健課または日本歯科医師会の実施するオンライン診療に係る研修を6月中に受講する旨を記載すれば良い
・令和6年7月診療分以降も引き続き施設基準を満たす場合には、当該研修を受講の上再度施設基準に係る届出を行う必要がある
オンライン診療のユースケース
舌痛症でのオンライン診療の活用
以前から舌痛症の治療に力を入れている福岡市博多区のつのだデンタルケアクリニック様のオンライン診療をご紹介します。
「つのだデンタルケアクリニック」様で実施されている主なオンライン診療の流れ
1.医院様へのご連絡 |
・患者さんが医院様ホームページにあるCLINICSからCLINICSアプリのダウンロード ・CLINICSアプリよりオンライン予約をいただく |
2.オンライン診療 |
・ご予約いただいた日時でDentisでオンライン診療を実施 (患者さんが遠方にお住まいでもオンライン診療を実施可能) |
3.カウンセリングのご案内 |
・舌痛症と診断された方へは、カウンセリングによる舌痛症の治療を案内 ・患者さんの同意後、次回カウンセリングのご予約を取得 |
4.カウンセリング |
・舌痛症の原因である心理的要因にカウンセリングで直接アプローチを実施 ・根本的な症状改善を目指す |
6.カウンセリングの継続 |
・カウンセリングの時間・回数に制限は設けておらず、患者さんの症状に応じてカウンセリング実施 |
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